「Uber Eatsは利用しない。だって、どんな人が来るかわからないし怖いもん」
とか抜かす注文者がいたら、私はその人に向かって迷わず中指を立てることになるだろう。
「それ、こっちも全く同じ気持ちですから」
むしろ配達員の方が恐怖を感じている。
客は注文確定時点ですでにこちらの顔がわかっているのに対し、配達員は注文者の顔もわからなければ家の場所もよく知らない。
そんな得体の知れないところへ配達に行くなんて恐怖でしかない。
ましてやそれが夜の配達だったら恐怖は一入だ。
とは言え、「本当に怖い客っているの?」と疑問に思う人もいるだろう。
そこで今回は、配達回数7600回超えの現役配達員である私が、Uber Eatsを注文する怖い客について様々な視点からお話ししていこうと思う。
・怖い客は本当にいるの?
結論から言って、いる。
一口に怖いと言っても、怖いの定義は人それぞれだが、反社会勢力、暴言、スピリチュアル(霊がどうとか言う客)など様々な”怖い客”たちに料理を届けてきた。
その中でも最も恐怖を感じた客の例を紹介しよう。
あれは秋も深まった昨年の11月頃だった。
23時頃、ローソンの荷物をピックアップし、とある薄暗い団地に配達に行った。
この団地は1年に1人は老人が孤独死を遂げる地元でも”ヤバい”と有名な団地だ。
しかも、この団地は橋の下にあり、あたりは街灯もほとんどなく真っ暗で、それがより一層団地の怪しさを引き立てる。
団地に到着し、部屋番号を確認して階段を上がった。
「玄関先で受け渡し」
となっていたため、インターホンを押した。
1分ほど待ったが反応がない。
もう一度インターホンを押してみた。
それでも反応がない。
置いて帰ると言う選択肢もあったが、トラブルを避けるために私は客が指定したこと以外はしないようにしている。
「寝てるのかな?」
と思い、電話をかけた。
10秒ほどコールした時だろうが、ドアのチェーンを外す音が聞こえてきた。
「やっと気付いたか」
電話を切り、ドアが開くのを待っていると、ドアがわずかに開いた。
「お待たせしましました、ウーバーイーツです」
TPOに合わせていつもより小声で言った。
だが、反応がない。
ドアも僅かに開いたままだ。
ん・・・?
「あの、ウーバーイー、、、」
「ぉぃてくださぁぃ」
「はい・・・?」
「ぉぃてくださぁぃ」
「あ、置けば良いですか・・・?」
すると、ドアが勢いよくドーンと開いた。
置いてくださ言って言ってるでしょぉぉぉぉぉぉぉっっっっ!!!!
出てきたのは、扇風機おばさんみたいなおばさんだった。
あの時間、あのシチュエーション、あのおばさん、これ以上の恐怖はないと言っても過言ではなかった。
それ以来、その家からの注文は全て拒否している・・・。
・怖い客に会った時はどうすべき?
私のこのケースは少し変わった「怖い」であるが、恫喝まがいのことをしてくる輩系の「怖い」に遭遇する可能性の方が高いだろう。
そのような時、我々配達員はどのように対応すべきなのだろうか。
結論から言って、とりあえず「でかい声で、申し訳なさそうな顔して、謝る」これに尽きる。
そのような態度をとって来る人は、大抵の場合社会からゴミ扱いされており、たまには人を服従させて自分が優越感を得たいと思っているパターンだ。
だから、謝れば大抵満足して一気にトーンダウンする。
それでもダメなら、その場から逃げた方が良いだろう。
ちなみに、言い争いになるのは一番よくないパターンだ。
(私もしてしまったことがあるが・・・)
相手が手を出して来るようなことになるし、怪我をしてもUber Eatsからは一切の保証がない。
それに、警察が入った事故トラブルに関してはどんな理由があろうと「Uber Eatsの名誉を傷つけた」とし、アカウント停止にされることも珍しくないからだ。
”逃げるが勝ち”
肝に銘じておくと良いだろう。
・怖い客に会わないようにするためには?
当たり前だが、そんな方法は無い。
客が配達員を選べないのと同様に、配達員も客を選ぶことができない。
だが、怖い客を怖いモードにさせない方法はある。
なぜ客はあなたを脅そうと声を荒げたりするのか、それは、あなたが客に「こいつには何を言っても大丈夫そうだ」と思われているからである。
要は、あなたが客から舐められていることが原因だ。
それなら、逆を言えば客から舐められなければ客はそのような態度を取ることはなくなると言えるだろう。
そのために我々がすべきことは以下の2つだ。
1 でかい声で話す
2 キチンとした服装をする
「そんなので変わるわけないだろ!」と思う人がいるかも知れないが、変わるのだ。
これは、メラビアンの法則というものに由来する。
メラビアンの法則というものは「人間の第一印象は言語情報7%、聴覚情報38%、視覚情報55%で決まる」と言うものだ。
つまり、もしあなたがスウェット、サンダルで配達に来て、ものすごい小さい声で、
「ウーバーイーツでーす」
なんて言ったら、客はあなたを即格下認定し、舐めた態度を取っても大丈夫と言う認識になりやすくなると言うことだ。
ましてや、Uber Eatsは社会的にも底辺扱いされているのだから、尚更相手が大きく出るきっかけとなるだろう。
もしあなたが今だらしない格好で配達しているのなら、今すぐ全身アンダーアーマーに着替えよう。
そして、ドロップ先へ到着したら、はちきれんばかりの声量で
「ウーバーイーツです」
と言おう。
・電話で脅してくる客への対処法は?
対面以外にも、電話で脅してくる客もいるかもしれない。
そのような時はメラビアンの法則の効果は激減しているため、強めに出てくる客がいる。
実際、私も「なんでおせーんだよふざけんのか」みたいな電話をもらったことがある。
そのような場合は、「業務妨害」とみなして配達をキャンセルしてしまって良いだろう。
そんな客に届けに行っても身の危険が生じることもある。
「それやったらやばくね・・・?」
と真面目な人は思うだろう。
このような対応に関して私は運営に電話で確認したのだが、
「こちらは一才関与できないが、配達員の判断に全て任せる」
とのことだった。
だから、問題ない。
リスクは事前に回避する
これは戦場で戦う者の鉄の掟だ。
・まとめ
今回はUber Eatsを利用する怖い客について色々お話ししてみたがいかがだっただろうか。
今の時代、どんな人間がいるか本当にわからない。
ある意味、UBer Eats配達員をやると言うことはその恐怖に足を自ら突っ込むと言うことでもある。
自分の身は自分でしっかり守ろう。
今日はここまで。